ゴミ施設で争い18年 今も続く住民の健康被害


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Posted by けい on November 29, 2009 at 18:01:04:

2009年11月29日放送
ゴミ施設で争い18年 今も続く住民の健康被害
今回の現場は「杉並病」のその後の状況を取材しました。
杉並区井草の「機械技術研究所」跡地。この土地をどのように活用するか、住民と行政の間で起きた意見の対立をテーマに取材したのが、今から18年前のことでした。
その後この場所には公園や、ゴミを埋立地に運ぶ前に圧縮する中継施設である「杉並中継所」などが設置されました。
この場所が本当の意味で注目されたのは、最初の取材から5年後のこと。原因不明の異臭や体の異常を訴える人が続出。テレビ、新聞などのマスコミ取材も殺到して、「杉並病」と呼ばれ社会問題になったのです。
住民の主張によると、問題の原因は「杉並中継所」から出る化学物質による「化学物質過敏症」。
その結果、呼吸困難や湿疹・腫れ物などができるなどの症状が、住民の一部に出ているというものでした。
一方、施設を建設した東京都では、専門家による調査委員会を設置。その調査によると、原因は汚水から発生する「硫化水素」と主張。長い間住民との間で原因をめぐり論争が交わされることとなったのです。
この問題に終止符を打ったのは、公害などの原因や責任関係などを明らかにする、国の「公害等調整委員会」でした。その判断は「一部住民の健康被害の原因は、中継所から発生する化学物質」と示したのです。
しかし、化学物質の種類は数千万とも数億ともいわれる種類が存在し、現在も爆発的な勢いで増えているといいます。そのような状況の中、「公害等調整委員会」も化学物質の中のどのような物質かという特定まではできませんでした。

結局、東京都はその後も「硫化水素」を主張。その後の管理を引き継いだ杉並区は「杉並病」というものの存在すら否定しています。
多くの住民を巻き込んだこの問題を、このまま風化させるわけにはいかないと、健康被害を受けている住民は語ります。

この地域の多くの住民に影響を及ぼした可能性がある「化学物質過敏症」。
今年10月、病名として登録され、保険治療が可能となりました。
しかし杉並での問題の解明は終わっていません。後の化学の進歩に頼らざるを得ない状況ではありますが、今一度、東京都も杉並区もこの問題は何だったのか、後世に伝えて欲しいと思います。そして解明される日を待ちたいと思います。

(笹岡 正之)



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